第9回公演
「金色の雨/GOLD RAIN」 大阪人情編・東京下町編

金色の雨/GOLD RAIN チラシ裏2015/4/22(水)~2015/5/2(土)
吉祥寺シアター

【出演者】

(大阪人情編)

内藤千紗 宮澤正 相沢まき 棚橋幸代 石塚あつこ 畠山U輔 すわいつ郎 松嶋創 野澤史果
村井美和 野中翔太 辻博己 渡辺栄子 涌澤未来 谷口勇樹 武井淳史 原武之 川口清人

(東京下町編)

阪田瑞穂 水町レイコ 津乃村真子 中村さくら 亜矢乃 農塚誓志 井野戸芙美 上地慶 内田晃一 田中瑛祐 葉山昴 山本栄司 岡本純治 もりたえみ 安田俊 井上あかね 渡部純一 宮澤正

脚本・演出:川口清人
協力プロデューサー:菊池誠
舞台監督:今泉馨
照明:若林恒美
音響:宮崎裕之(predawn)
音響オペレーター:中山ひとみ
音楽:稲岡宏哉
舞台美術:斉藤樹一郎
チラシデザイン:米本繭子(cocon)
舞台撮影:古谷美里
スチール撮影:峰田達也
制作:すわいつ郎 /遠藤いずみ(TEAM#BISCO)
企画・製作:東京カンカンブラザーズ

金色の雨/GOLD RAIN チラシ裏

【あらすじ】

幼い頃、兄と生き別れになり、大病院のひとり娘として育てられたあかり。
ある日、あかりの前に一人の男が姿を見せる。
あかりはその男に、妙な親近感と懐かしさを覚えるのだった。
そんな中、病院に「医療過誤を認めなければ、病院を爆破する」という脅迫文が!!
あかりの父である院長は「医療過誤などない」と言い張るが・・・
犯人はいったい何者なのか。本当に医療過誤はなかったのか。
17年前、あかりが兄と生き別れになった理由とは・・・
やがて、あまりにも切なく優しい真実が明らかになる。

 

【作品解説】

第9作目は、劇団として初めての劇場となる「吉祥寺シアター」にて上演が行われた。また、同じく初の試みとなる2チーム制でのキャスト構成となった。チームは同タイトルで「大阪人情編」と「東京下町編」に分かれ、キャスト総勢35人という、これまでにない大所帯での公演となった。

今作より、これまで客演で出演していた野中翔太、渡辺栄子が劇団員として加入し、劇団にとって新体制の幕開けともなった。

本作は、大阪編は大阪の、東京編は東京のとある下町が舞台のお話であった。ひとつの舞台上でプロレス団体練習場や病院など、様々な場所が築かれ、主人公となる兄妹をはじめ、プロレス団体のレスラー、医師や看護婦、患者やその家族、クラブのママなど様々なキャラクターが交差し、兄妹の想い、医療過誤をめぐる医師の葛藤や家族の絆が描かれた作品となった。

初めての吉祥寺シアター公演であったが、皆様のお陰様をもって、お客様の動員が、両チーム合計で2000人を超え、ホッと肩をおろしつつ、次回の公演に向けて奮起するカンカンブラザーズであった。

 

【今だから言える話】

脚本と2チームの演出に加え、本作では主役となった主宰の川口。元プロレスラーという役柄のため、稽古当初より肉体作りに励んでいた。しかし多忙が祟ったか、劇場に入り始めてから、まさかのボディサイズの縮小を見せていた。

本番では、皆が密かに予感していたクロックス(楽屋用)を履いての登場はなかった。しかし、川口は登場する入口を間違え、主人公の登場であるにも関わらず、何も照明が当たっていない暗闇から現れるという斬新な登場をみせた。

今回から劇団員となった野中。劇団員として大いに働いていた。一方で、役作りにおいては、大阪編のウリである関西弁の修得に難儀していた。標準語と関西弁のイントネーションの違いに困惑し、野中の口からは、生活経験のない東北のなまりが発せられていた。

同じく劇団員となった渡辺。今回の役柄は正義感溢れる庶民派の新聞記者の役である。生き方の違うクラブのママと対峙する場面で出た、「やっぱり苦労してない!」というセリフは、その言い心地の良さから、メンバー内でプチブレイクを果たしていた。

千秋楽を終えた夜、大阪編・東京編のキャスト、スタッフを合わせ40人近い大人数での全体打ち上げとなった。それは壮大な打ち上げとなったわけだが、二次会では希望者による大カラオケ大会が行われた。大阪編と東京編のキャストによる東西対決など、白熱した戦いが繰り広げられた。朝日が昇っても、吉祥寺のカラオケ店からは歌声が響いていたという。